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電気化学測定に使用する作用電極の種類とその用途、選択方法についての基礎的な内容です。
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これから電気化学を始める方のための作用電極の基礎-その4:炭素電極-1

グラファイト

ベンゼンが縮合した平面が層状に重なったのがグラファイトである(sp炭素)。ベンゼン縮合平面をベーサル面と呼び、それと直角方向、層が現れる表面をエッジ面と呼ぶ。ベーサル面方向とエッジ面方向では物理量に異方性があり、ベーサル面内での電気抵抗はエッジ面内方向に比べて小さい。従って、ベーサル面が表面になる電極とエッジ面が表面になる電極では、電極として差があらわれる(エッジ面電極の電導度の方が大きい)。
電極としての二重層容量も異なりベーサル面の二重層容量は小さい。
気体の炭化水素を高温の基板の上に分解蒸着させて作られたのがPG(pyrolytic graphite)である。PGを高温高圧処理で長距離規則性を高めたのがHOPG (highly ordered pyrolytic graphite) である。その割合が電極の性状を決める。電極表面状態の検定目的でフェロシアン/フェリシアンのCVにおけるピーク電位幅(ΔEp)が用いられる。この値が700mV(1M KCl中、0.2V/sの電位掃引下)以上であれば、正当なHOPGと許容できる(通常は60mV程度)。ΔEpが狭いほど電子移動速度が速いわけだが、HOPGでは極めて遅く大きなΔEpになる。
電気化学 測定 グラファイト構造とGC

電極として最も多用されるガラス状カーボン(GC)は上図の左下のように、グラファイト構造の細い帯が絡み合った、ミクロには規則性があるが、マクロにはアモルファスな(ガラス状)構造をしていると理解されている。従って、電極として用いられる炭素同素体はいづれも基本的にはグラファイト構造でありsp炭素を主としていることになる(ダイアモンド電極は除く)。

GC電極表面ではベーサル面もエッジ面も混在していることになる。GCはガラスのように稠密で硬く、気体や液体の浸透性はない。これに対しHOPGは層面方向に滑りやすく柔構造であり、ベーサル面に沿って剥離して新鮮な面を出すことができる。

グラファイト粉末をオイルに分散してペースト状にして使うのもある(カーボンペースト電極)。炭素繊維を用いるカーボンファイバーも電極として用いられる。ミクロ電極を作製するにはカーボンファイバーもよく使われる。カーボンファイバーをプラスチックに包埋してからカットすることにより断面をミクロ電極とするものである。これらはグラッシカーボンも含めてsp結合から成り立っている。sp3結合からなるダイアモンドに、ボロンをドープしてホール伝導性にしたものは(ボロンドープダイアモンド電極、窒素ドープだと電子伝導性)特に電位窓が広いといわれている。ダイアモンドとしての化学的安定性を有するので特異的な用途に用いられる可能性がある。


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