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FireSting シリーズ
●REDFLASH酸素標識剤を活用した、光学式酸素モニター
●酸素を消費することなく測定できるため、微量酸素の測定も可能
●気相および液相の両方で、安定した酸素濃度測定が可能
●非接触センサーにより、外部から透明容器内の測定も可能
FireSting O2-C 酸素モニター は、気相および液相で安定した酸素濃度測定が可能な、コンパクト&高精度な酸素濃度計です。
各種センサーを光学式センサーポート(1, 2, 4チャンネル)や温度センサーポート(1チャンネル)と接続することで、酸素濃度と温度の2項目が測定できる為、酸素濃度測定時の温度補正を自動で行うことが可能です。電源はUSBケーブルでPCから供給され、Windows用ソフトウェア Pyro Workbench によって測定の制御および測定データの記録を行います。
また、新たに登場した FireSting pro マルチ分析計 は、酸素濃度と温度に加えて更にpHも同時に測定する事ができます。
FireStingシリーズのパッケージには、ソフトウェアと0%-O2校正用カプセルの OXCAL が1セット同梱されています。更にFireSting proには、pH校正用カプセル PHCAL2、PHCAL11 が各1セット含まれます。
- 特長
- 仕様
- アプリケーション例1
- アプリケーション例2
- アプリケーション例3
REDFLASHの特長
新しいREDFLASH酸素標識剤の開発により、下図のように酸素に特定的に反応します。
REDFLASHはλ=620 nmの赤色光で励起し、近赤外で酸素依存性の発光を示します。
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品名 013728 FireSting O2-C 酸素モニター (1ch) 013729 FireSting O2-C 酸素モニター (2ch) 013730 FireSting O2-C 酸素モニター (4ch) 013731 FireSting pro マルチ分析計 (1ch) 013706 FireSting pro マルチ分析計 (2ch) 013732 FireSting pro マルチ分析計 (4ch) 仕様 重さ 290 g 大きさ(W×D×H) 78×120×24 mm インターフェース USB(USBバスパワー使用) 光学センサー 酸素センサー(ミニプローブ、ニードル、スポットセンサー、フローセル等) 温度センサー(ミニプローブ、ニードル、スポットセンサー、フローセル等) pHセンサー(FireSting pro マルチ分析計シリーズのみ) 温度センサー PT100温度センサー(温度センサーポートに接続) 測定チャンネル 1,2,4チャンネル(光学センサーポート) 1チャンネル(温度センサーポート) 測定原理 REDFLASH 標識剤の発光寿命検出 最大測定範囲 0-100% O2(推奨測定範囲は各センサーに依存します) 検出限界 汎用センサー:0.02% O2(溶存酸素 0.01 mg/L) 低濃度センサー:0.005% O2(溶存酸素 0.002 mg/L) 対応OS WindowsTM 10※1 / 11 動作環境 0〜50°C、結露しないこと ※1 Windows™ 10 Sモードには対応しておりません。Sモードの場合は、解除を行ってください。
また、対応するのはマイクロソフト社がサポート中のバージョンのみです。
※2 使用には別途センサーが必要です。酸素還元反応と溶存酸素のモニタリング
- 回転電極法を用いた、酸素還元反応による還元電流の測定
- 電気化学測定間の溶存酸素モニタリング
1と2を並行して行うことで、より正確な解析が可能となります。
(主な応用例:燃料電池、アルカリ水電解用の触媒評価)
気相及び液相の酸素濃度モニタリング例
FireSting O2-C 酸素モニターは、気相および液相で安定した酸素濃度測定が可能な、コンパクト&高精度の酸素計測器です。 ここでは、燃料電池用酸素還元触媒の評価によく用いられる回転リングディスク電極装置のセルに、希硫酸を使用し、溶存酸素濃度の測定を例に挙げてみます。
測定システム全景
使用した製品
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商品コード 品名 013730 FireSting O2-C 酸素モニター (4ch) 012993 OXROB10-OI 遮光性ステンレスO2ミニプローブ(2m) 013017 TSUB21 FireStingテフロンコート温度センサー(2m) 013725 RRDE-3A 回転リングディスク電極装置 Ver.3.0
モニタリングの概要
ガラスセル内に大気下飽和状態の 希硫酸 65ml を満たして、テフロンキャップ※1で蓋をし、O2ミニプローブ、温度センサー、及び密閉用に参照電極と対極を設置します。FireSting O2-C装置本体側の1chを使用し、O2ミニプローブ及び温度センサーを接続し、酸素センサーのキャリブレーションを行います。窒素を20分間ガスパージチューブで通気して酸素濃度が減少する様子を溶液相で測定しました。その後、酸素に切り替えて15〜20分通気して酸素濃度増加の様子を測定しました。
測定セル部分の拡大写真
※1 O2ミニプローブ、温度センサーをセル内の設置する場合には、RRDE-3A付属のテフロンキャップに穴あけ加工が必要です。スポットセンサーを使用する場合は、セル内側にセンサーを貼り付けるため、加工は必要ではございません。
モニター結果
今回の実験では、液相の溶存酸素の脱気には約20分、酸素ガスの飽和には約15分から20分程度の時間を要する事が分かりました。液相の酸素濃度は、温度、気圧等にも影響を受ける為、再現性の良い酸素還元触媒の電気化学的な測定を行うには、セル内の酸素濃度モニターを行う事は有用であると考えられます。
溶液中の酸素濃度の経時変化
0.1M 水酸化ナトリウム中の溶存酸素濃度と酸素還元電流の同時測定
0.1 M 水酸化ナトリウム溶液中(酸素飽和)で金電極での酸素還元反応(ORR)を行いました。
一般的に金電極では酸素は2つの2電子反応で還元が進むことが知られています。
そこで、酸素飽和下で酸素還元反応が起こっている 0.5 V と -0.1 V vs. RHE での反応電子数をKoutecky-Levich式より求めました。
測定システム全景(別途制御用のPCがございます)
使用した製品
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測定の概要
アルカリ用サンプルバイアル(100 mL)に 0.1 M 水酸化ナトリウム溶液 65 mL を満たし、テフロンキャップで蓋をして作用電極、参照電極、カウンター電極を設置後、酸素バブリングを行います。FireSting O2-C で酸素飽和状態である事を確認します。回転電極を 400 rpm に回転させ、0.12 V vs. Hg/HgO から -1.2 V vs. Hg / HgO の範囲を掃引速度 0.01 V/s でLSVテクニックを用いて測定を行いました。その後、回転数を 800、1200、1600 rpm に変更し、同じ条件で対流ボルタンメトリー測定を行いました。
測定結果
電位をRHEに換算後のLSV測定の結果を以下に示します。
0.5 Vと-0.1 V vs. RHE でのKoutecky-Levichプロットは以下のようになります。Koutecky-Levich式より各電位の反応電子数nを求めますと、0.5 V では2電子反応、-0.1 V では後続2電子反応が起きていることが確認できました。
海や河川での溶存酸素のモニタリング例
海、河川及び貯水池での溶存酸素測定は、貧酸素水塊や貧酸素化の要因解析に非常に重要です。本アプリケーションでは、10cmピッチに8つのニードル型酸素センサー固定したロッドを水面に対して垂直し沈め、それをボートの船尾に固定し、一定速度で運転しながら、水深と酸素飽和度を測定した例となります。
University of Koblenz-Landau (Germany), Institute for Environmental Sciences での研究成果4chタイプのFiresting酸素モニター2台で8つの酸素センサーをノートパソコンで制御2011年9月29日 ドイツ Waldsee湖における酸素飽和度の深さプロファイル
溶存酸素濃度と魚類の呼吸代謝の関係
密閉容器の中に入れた、魚の呼吸代謝と容器内の溶存酸素濃度(DO濃度)のモニタリング例。
University of Glasgow, Scotland (UK)での研究成果