
20. QCMフローセルキット
QCMフローセルキットは非常にシンプルな構造で、取り扱いが簡単です。EQCM、QCM測定は温度変化を受け易いため、温度が一定になるようにTB-1 電子冷却恒温槽に水晶振動子をセットしたQCMフローセルを入れます。サンプル溶液を入れた後、測定を開始します。本セルはEQCM、QCM測定に利用できるよう設計されています。

測定例

a:静止状態、b;85、c:110、d:140、e:160、f:190µl/minにて2mM ジチオジプロピオン酸を添加したPBSを通液した。ベースラインが安定であることがわかる。

avidin(2mg/ml)、ethanol amine(5mM)、BSA in PBS(1%)、Biotin-Allo A lectin(0.05mg/ml, in 1%BSA)、galactose-carrying polymer(1mg/ml, in 1%BSA)、PBSの順に添加し、周波数の差分を経時変化で表したもの。
水晶振動子

10MHz水晶振動子は厚みが0.16mmに相当します。周波数を上げることは水晶振動子の厚みが薄くなり、取扱い難くなります。取扱いと分解能を考慮する必要があります。当社の水晶振動子の周波数は7.995MHzです。2種類の表面状態の水晶振動子を用意しています。未研磨状態の水晶振動子と表面研磨した水晶振動子があります。標準品は表面研磨した製品です。表面研磨した水晶振動子面には接着層として100Åのチタンを固定した上で1000Åの金を蒸着し、表面は研磨してあります。
一般的なQCM、EQCMの測定では、表面研磨した通常の水晶振動子のご使用をお勧めいたします。但し、EQCM測定をする際、比較的長い時間で高い電圧をかけたい場合、チタン等の接着層が計測上問題になる可能性がありますので、未研磨状態の水晶振動子をご利用ください。こちらのタイプは水晶振動子面に直接金属が蒸着してあります。しかし、接着層がないために、水晶振動子面から剥がれ易くなります。
商品コード | 商品および明細 | 周波数 |
010226 | 水晶振動子Au(5個入) | 7.995MHz |
Aluminum (Al) | Molybdenum (Mo) | Silver (Ag) |
Carbon (C) | Nickel (Ni) | Tin Oxide (SnO2) |
Chromium (Cr) | Palladium (Pd) | Titanium (Ti) |
Cobalt (Co) | Platinum (Pt) | Tungsten (W) |
Copper (Cu) | Silicon (Si) | Zinc (Zn) |
EQCMセルとしての応用

QCMフローセルキットを上下反転することにより、EQCM セルとして利用すること ができます。EQCM の電極(白金、金、銀)を作用電極として電解すると、電解 中に電極上で起きる質量変化を振動数の変化として同時測定ができます。サイク リックボルタメトリー(CV)と同時に振動数変化を測定すると、電極表面で発生す る変化を電流と質量の両面から追跡でき、貴重な知見を得ることができます。また、リニアースィープボルタンメトリー(LSV)やクロノアンペロメトリー(CA)やアンペロメトリー(i-t)やクロノポテンショメトリー(CP)と同時に振動数変化を測定できます。EQCMは電極反応生成物の吸着・脱離、金属の電解析出等、電極表面で起きる種々の現象の研究に有効です。

商品コード | 商品および明細 |
011121 | QCMフローセルキット |
010226 | 水晶振動子(5個入) |
010535 | RE-1S 水系参照電極(Ag/AgCl) |
012041 | RE-7S 非水溶媒系参照電極(Ag/Ag+) |
010536 | EQCMセル用カウンター電極 |
010534 | EQCMセル用O-リング(10個入) |
取扱終了 | モデル100 シリンジポンプ 2ch |
010526 | TB-1 電子冷却恒温槽 |